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<新興国eye>トルコリラ、過去最安値―敵国の“攻撃”とする大統領発言に市場は冷ややか

2018-04-13 10:50:00.0

 トルコリラは11日、外為市場で前日終値の1ドル=4.1340リラから4.1944リラと、過去最安値を付けた。対ユーロでも1ユーロ=5.1914リラと過去最安値となった。その後はユルドゥルム首相が中銀によるトルコリラ下落阻止の市場介入の可能性を示唆したことから1ドル=4.1525リラに値を戻した。米経済専門チャンネルCNBC(電子版)などが伝えた。

 トルコのエルドアン大統領は同日、トルコリラが過去最安値を付け、年初来で9.4%もの大幅下落となったことについて、トルコに敵対する国による通貨暴落を狙った攻撃との判断を示した。また、トルコ中央銀行のチェティンカヤ総裁も10日、議会の公聴会で、最近のトルコリラの急落について、「トルコに対する攻撃だ。だれがトルコリラに攻撃を仕掛けているかを特定する調査を開始した」と証言している。

 ただ、リラの急落の背景には同国のインフレ率が高水準(3月CPIは前年比10.23%上昇)でインフレ期待も強く、経常赤字も高水準(2月は前年比60%増の41億5200万ドルの経常赤字)となっているなど同国のマクロ経済の悪化があり、投資家はリラへの売りを強めているのが実情だ。アナリストは今後も対ドルでリラ売りが続く可能性が高いと予想しており、抵抗線は1ドル=4.16リラとしながらも通年ベースで4.2−4.3リラまでリラ安が進むと、悲観的な見方だ。

 トルコでは17年のGDP(国内総生産)伸び率が7.4%増と、高い成長率が続いているが、インフレが抑制されないため、家計は景気拡大の恩恵を受けられず苦しい状況が続いている。急激なリラ安は、輸入物価を押し上げ同国のインフレ率を悪化させるリスク要因となる。このため、チェティンカヤ中銀総裁は、「金融政策は引き続き物価安定を維持するための手段を講じていく」と述べている。

 中銀は前回3月会合で政策金利を2会合連続で据え置いているが、次回4月5日の金融政策決定会合で思い切った利上げに転換しなければ、リラ安に拍車がかかる可能性が大きいと、多くのアナリストはみている。中銀が利上げに躊躇(ちゅうちょ)しているのは、インフレ率が高水準にもかかわらず、エルドアン大統領が景気重視の観点から中銀に利下げを要求しているからだ。アナリストは、リラ安は敵国の攻撃というよりも中銀の両手を縛る政治の問題で国内要因だと指摘している。

<関連銘柄>
 iS新興国<1362>、上場MSエマ<1681>
提供:モーニングスター社

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