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<年末年始特集>米国株は米大統領選挙に揺れる一年、米中対立にも依然警戒(1)

2019/12/27 18:28

 年初の悲観的な見通しに反し、2019年の米国株は大幅な上昇で1年を終えることができそうだ。先の見えない米中貿易問題に振り回され、世界景気の減速懸念がくすぶり続けた中にあって、FRB(米連邦準備制度理事会)による3会合連続の利下げや意外と底堅い米国経済などを背景に、米国の主要株価指数はいずれも史上最高値を更新。NYダウの年初来上昇率は22.39%(以下、2019年12月23日終値までの暫定値)に達した。まさに、「米大統領選挙の前年は株高になる」というアノマリー通りの結果になった格好だ。

 2019年の米国株をファクターごとに振り返ると、年初にはバリュー株(割安株)への回帰が喧伝されたものの、年間のパフォーマンスでは結局グロース株(成長株)の優位が継続。セクター(業種)別ではエネルギー株の伸び悩みが目立った一方、テクノロジー株の好調ぶりが際立った。個別の主力株の年初来騰落率を見ると、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、ラムリサーチ(LRCX)をはじめ半導体関連銘柄が上昇率上位に並ぶ中、ディスカウント百貨店のターゲット(TGT)や、メキシコ料理レストランチェーンのチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)などが顔を出したのが特徴的といえる。

 米中貿易協議でひとまず「第1段階」の合意に至り、英総選挙で保守党が大勝し英国の「秩序あるEU(欧州連合)離脱」に道筋を付けたことで目先的な懸念が取り除かれ、マーケットにはリスクオンムードが充満。2019年最後のFOMC(米連邦公開市場委員会)では米国の低金利政策が2020年いっぱい続く見通しが示され、米国株の支えになるものと意識される。

 一方、2020年は米大統領選挙がビッグ・イベントとして控え、米国株相場は波乱含み。米大統領選挙の本選挙は11月3日に予定されるが、早くも2月3日にはアイオワ州の党員集会を皮切りに予備選がスタートし、トランプ米大統領の対抗馬となる民主党候補者の指名争いが本格化する。もっとも、多くの州の予備選が集中する3月3日の「スーパーチューズデー」には、テキサス州などに加え、今回は多数の人口を抱えるカリフォルニア州も前倒しで予備選を実施するため、早期のうちに大勢が決する可能性がある。その後、両党の全国党大会、大統領候補者らの討論会を経て、本選挙に至るスケジュールとなっている。

 民主党候補では中道派のジョー・バイデン前副大統領が有力であるほか、左派のエリザベス・ウォーレン上院議員、バーニー・サンダース上院議員や、ピート・ブティジェッジ候補(インディアナ州サウスベンド市長)も存在感を示す。バイデン前副大統領、サンダース上院議員は高齢がネックか。左派候補は「国民皆保険(メディケア・フォー・オール)」に前向きで、ウォーレン上院議員は大企業、富裕層への増税で財源を賄うとしており、指名されれば株式市場はネガティブに反応しそう。また、ウォーレン上院議員は大手ハイテク企業の解体も主張している。ただ、行き過ぎた左派は本選挙では不利との見方があり、ただでさえ現職有利とされる米大統領選挙でトランプ米大統領が再選する確度が高まれば、政治的な不透明感の後退が米国株相場に安定をもたらすシナリオもありうる。

 なお、年明けにもウクライナ疑惑をめぐるトランプ米大統領の弾劾裁判が米上院で開かれる見通しだが、共和党が議席の過半数を占める上院では弾劾が否決される公算が大きく、米大統領選挙にはほぼ無風と見る。(2へ続く)

提供:モーニングスター社