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<年末年始特集>米国株は米大統領選挙に揺れる一年、米中対立にも依然警戒(2)

2019/12/27 18:29

(1)から続く

 米中貿易問題についても楽観は禁物。米中貿易協議の「第1段階」合意は年明け以降に合意文書に署名し、合意した条件の履行を確認していく流れとなるが、両国間の認識には若干のずれがあるもよう。そもそも、中国による米国農産物の購入拡大などを盛り込んだ今回の合意は、トランプ米大統領が米大統領選挙前の実績作りを優先した側面があり、一時的な休戦の色合いが濃い。中国政府による国有企業などへの補助金見直しといった、抜本的な産業構造改革への要求は「第2段階」の交渉に持ち越されたが、先が見えない。米大統領選挙が近づく中で米国側に妥協や譲歩は一層許されず、対立がハイテク分野での競争や人権問題にも波及する中で、劇的な交渉進展は見込みにくいのではないか。背景には米中両国の覇権争いがあり、仮に民主党候補が米大統領選挙で勝利したとしても、米国の対中強硬姿勢が和らぐことはないだろう。

 足元の米国株には割高感も意識される。景気循環調整後の株価収益率であるCAPEレシオ(シラーPER)は30.91倍(2019年12月24日終値基準)と、1929年の世界恐慌前の水準に迫り、きっかけ一つで調整局面入りする可能性をはらむ。以上を総合すると、2020年の米国株は米大統領選挙、米中貿易問題がらみのニュースに揺られ調整をはさみながら、米国の低金利基調や底堅い米国経済および米企業の業績改善期待などを支えに、小幅上昇といったところで着地するのではないだろうか。

 個別株では「5G」関連銘柄の物色が一段と熱を帯びそう。「5G」とは第5世代移動通信システムのことで、高速・大容量、低遅延、多数端末との接続という特徴を持ち、4K/8KやAR(拡張現実)/VR(仮想現実)を活用した映像の伝送、遠隔医療や自動運転など、広範なサービスや産業に革新をもたらすものと期待されている。米国ではすでに一部都市で商用サービスが始まっているが、2020年はこの動きが本格化することで米通信大手のベライゾン・コミュニケーション(VZ)、AT&T (T)などに商機が広がる可能性がある。

 「5G」端末ではサムスン、ファーウェイなど海外勢に出遅れたものの、アップル(AAPL)も2020年後半に満を持して「5G」対応の新型iPhoneを投入するとの観測で、「5G」ブームに火がつきそうだ。「5G」向け半導体関連ではクアルコム(QCOM)をはじめ、スカイワークス・ソリューションズ(SWKS)やコルボ(QRVO)、ザイリンクス(XLNX)などが注目を集める。「5G」の普及がメモリー市況の改善に寄与するとの見方もあり、ウエスタンデジタル(WDC)などの追い風にもなりそうだ。その他、クラウドを活用し「5G」向けに自動化されたネットワークを提供するシスコシステムズ(CSCO)など、関連銘柄の裾野は広い。

提供:モーニングスター社