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<米大統領選>トランプ相場の分水嶺―「コロナ時代の大統領選」ついに最終決戦、拭い切れない逆転シナリオ

2020/10/27 08:05

 米国の大統領選挙がついに来週に迫った。バイデン前副大統領を擁する民主党は、ホワイトハウスと連邦議会の上下両院を制す「トリプルブルー」を達成する勢い。対する共和党はトランプ大統領が終盤の巻き返しを図る。市場が警戒する法廷闘争のリスクも残り、最後まで気を抜けない局面は続く。

<民主完勝は安心材料>

 11月3日(日本時間4日)に投開票される米大統領選は、まさしく新型コロナウイルス時代の政治決戦だ。トランプ氏の再選が確実視されていた従来の勢力図は、同国内での感染拡大と経済の低迷により一変。実際的にも両陣営の選挙活動が大幅に制約されたほか、これまでにない多数の有権者が郵便投票を選択する異例の展開をたどっている。

 科学的根拠を欠く持論とともにウイルスの脅威を軽視し、ついには自身が新型コロナに感染するなど失態続きのトランプ氏に対し、バイデン氏は終始優位に選挙戦を進めている。米政治系サイトのリアル・クリア・ポリティクスによれば、10月26日時点の両候補の全米支持率は7.8ポイント差でバイデン氏がリードする。

 株式市場もトランプ政権の陥落に備えている。目下のところ実現性が最も高いとされるのは、バイデン氏が大統領に選ばれた上で、共和多数の議会上院を民主が奪取して完勝するシナリオだ。マーケットは5割前後の確率で織り込んでいるとみられる。

 大統領と上下院を民主が占めた場合、トランプ氏が引き下げた法人税率は再び引き上げられる見通し。ただ、一方で新型コロナを受けた追加経済対策は手厚くなりそうだ。また、化石燃料への風当たりが強まる半面、再生エネルギー関連の投資が促されることで、経済への好悪影響はおおむね相殺されるとの見方が強い。政局をめぐる不透明感が後退する意味で、トリプルブルーで決着すれば株価にはひとますプラスに働くと考えられる。

 ただ、一筋縄ではいかない恐れもある。想定される最悪のケースは、言うまでもなくトランプ氏が投票結果の無効を主張し、ホワイトハウスに居座ろうとする事態。特に、郵便投票の信頼性を問題視する可能性が高く、次期大統領が確定しない状態となれば市場も混乱を来すだろう。追加経済対策の遅れにもつながりかねず、株式市場がショック安に見舞われてもおかしくない。

 法廷闘争ほどではないにしろ、市場にマイナス影響をもたらし得るのが議会の「ねじれ」だ。

 足元で追加経済対策がなかなか決まらないのも、与野党が互いに譲らないため。トリプルブルーへのマーケットの期待は、政策の停滞解消という側面が強い。民主党にとって大統領選よりもハードルが高いとみられる上院は大きな焦点だ。バイデン氏が勝利したとしても、共和党が上院を守れば株価は消極的な反応を示す公算だ。

<まさかの「トリプルレッド」は?>

 一方、確率は低くなってはいるものの、予想に反してトランプ大統領が勝つ線も消えてはいない。

 前回2016年の大統領選では、10月中旬の段階で民主党候補のクリントン氏が支持率で約7ポイント上回っていた。クリントン氏の国務長官時代のメール問題を執拗(しつよう)に批判する戦略で土壇場の逆転に成功したトランプ氏。今回は、バイデン氏の長男ハンター氏のスキャンダルを徹底的にたたき始めた。ここへきてバイデン氏との支持率の差は縮小し、逆転する州も出てきている。

 仮にトランプ大統領が勝利した場合、やはり重要なのは議会選だ。民主が上院を取り返す、あるいは下院の多数を維持してねじれが続けば、マーケットは「迷大統領」の続投にただただ辟易(へきえき)してしまうかもしれない。ただし、大統領選の勢いが波及し、共和が完勝するまさかの「トリプルレッド」に持ち込めば、経験則からも株式市場にとってトリプルブルーをしのぐ最上シナリオだろう。

提供:モーニングスター社