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<2012年の株式相場を振り返る>―良くも悪くも為替次第、新政権に期待つなぐ

2012/12/28 18:23

 2012年の株式市場は、日本株の為替への感応度を改めて痛感する年となった。歴史的に高い水準でこう着する円相場に、前年の震災やタイ洪水の影響で打撃を受けた業績に改善期待が膨らまず、日本株は安値圏で停滞。欧米や新興国の株と比較したパフォーマンスの低さから投資家が離れ、残った投機筋を中心に「円が対主要通貨で上昇すれば売られ、下落すれば買われる」の繰り返した。

 12年半ばまで懸念材料だったのは主に欧州債務問題で、ギリシャや、イタリア、スペインといった重債務国の国債入札が近づけば売り要因になり、無難に通過すれば買い戻されるような外部環境次第の動きが際立った。2月には、米国のFRB(米連邦準備制度理事会)や、欧州のECB(欧州中央銀行)だけではなく、日銀も重い腰を上げ、日米欧の同時金融緩和を好感した世界的な株高となり、日経平均も上値を追う展開となった。日銀はこのとき、資産買い入れ基金の増額に加えて、消費者物価の前年比1%を目指すことも決めている。2月に1ドル=76円00銭を付けていた円相場は3月下旬に84円台まで持ち直しており、このときの日銀の動きは市場に大きく評価されたとみられる。

 一方、ギリシャでは財政緊縮の受け入れか否かで国民の意見が二分。デフォルトの危険性が高まりだした。4月になるとギリシャ議会が解散。対ドルでは上昇が一服していた円が、今度は対ユーロで上昇基調を強める。米国株はもちろん、震源地の欧州株の下値が限られても、円高が格好の売り材料となった日本株の下げはきつく、日経平均は3月27日に1万255円を付けたが、円高進行に連動するように日経平均は下値を探った。「投資家の日本株離れ」もささやかれ、東証1部の売買代金が1兆円を割り込む日も珍しくなくなっていく。

 ギリシャの選挙は2度実施された。5月の選挙では連立政権が樹立せず、6月の再選挙でようやく緊縮推進派の政権が誕生。解散から新政権の樹立まで約2カ月ものあいだ、世界中はGDP(国内総生産)で大阪府や愛知県と同規模のギリシャに振り回されたことになった。日経平均はちょうどこの時期、6月4日に年初来安値を8295円63銭に切り下げている。日経平均は下げ止まったものの、円が対ユーロで上昇を続けたため、戻りは限定的だった。

 水面下では欧州安定メカニズム(ESM)の発足などセーフティネットの構築は進んでおり、ギリシャを発端とした債務懸念は次第に後退した一方で、日本は新たな問題に直面する。尖閣諸島をめぐる領有権の問題で、日中関係が急速に冷え込み、中国では大規模な反日デモが勃発。中国の個人消費が大きく伸びる国慶節を挟んだため、中国市場に進出する自動車や小売が大打撃を被った。いまでは終息しつつあるが、傷跡が完全に癒えたわけではない。

 民主党政権の終幕と、自公政権の復活に、11月中旬から円が急速に下落し、日経平均は年末にも関わらず、大商いとなって年初来高値を更新した。上昇ピッチが早ければ、下げるときも早い。足元の上昇は腰の入った買いなのか、それとも・・・。来年は安倍内閣と日銀の手腕が問われる。

 ちなみに、大納会となる12年12月28日の日経平均株価は前日比72円20銭高の1万395円18銭と連日で年初来高値を更新。年間騰落率はプラス22.94%で、3年ぶりに陽線を形成した。2013年1月、最初の関門となりそうな日銀金融政策決定会合は23−24日に開かれる。

提供:モーニングスター社