文字サイズの変更

  • 小
  • 中
  • 大

IRカンファレンス

アナリストの視点(国内株式)

市場統合で新JQ誕生へ、歴史的イベントは起爆剤に?

2010-09-28

 大証ヘラクレスとジャスダックの市場統合が迫ってきた。統合日は10月12日。過去10年、新興市場は地方証券市場の傘下に乱立し、投資家を混乱させてきた経緯があるだけに、この統合が意味するものは大きい。

 国内の新興市場はジャスダックのほか、東証傘下のマザーズ、大証傘下のヘラクレス、名証傘下のセントレックス、札証傘下のアンビシャス、福証傘下のQボードの6市場が乱立している。IPO(新規上場)ラッシュによるブームの土壌となったものの、各市場間の企業誘致合戦の激化が上場企業の質低下を招いてしまい、“ライブドア・ショック”以降続出した新興市場上場企業の不祥事の温床になったと批判されてきた。IPOブームが終えんし、地方新興市場は新たな上場企業が増えず、現在では開店休業状態が続いている。ヘラクレスとマザーズに第1号上場銘柄が登場してから10年。今回、大証がジャスダックを買収する格好で行われる市場統合には、迷走してきた感もある日本の新興市場のあり方を総括するような意味合いもあるのだろう。

 既に売買システムが統合済みであることなどから、今回の市場統合自体に投資家への影響を与えるような変更点はない。上場企業にとっては制度変更など面倒な点があるようだが、投資家はこれまで通りの売買が行える。市場統合が混乱を招くことはなさそうで、歴史的なイベントは大過なく通過するとみられる。

 一方、新興市場の現状は引き続き厳しい。政府と日銀による介入で為替市場が円安にフレたことを受け、ネット株など内需株中心の新興市場は物色の蚊帳の外に置かれてしまっている。売買代金は低迷し、テーマ株への物色意欲も後退。現状、相場の雰囲気を変える大きなイベントとして、その市場統合を待つ市場関係者も少なくない。実質的な影響は乏しいとみられるが、間接的には各種イベントによる注目度の向上などが刺激となる可能性はある。

アクセスランキング(過去1週間)

 ジャスダックは市場統合後、投資家向け情報拡充に向けてアナリストリポートプラットフォームを導入することを発表済み。これまで流動性や知名度不足から放置されていた銘柄にスポットライトが当たる可能性がある。ニッチ(すき間)分野で活躍するユニークな企業が多く上場するジャスダックには「お宝銘柄探し」の楽しみもある。PBR(株価純資産倍率)0.5倍以下で業績が改善、テーマ性もあるプラスチック成形品のタカギセイコー(4242・JQ)や液晶向け機能材などのサンエー化研(4234・JQ)、小型スイッチの日本開閉器工業(6943・JQ)などは、流動性さえ改善すれば投資妙味は格段に高まりそうだ。

(小泉 健太)


バックナンバー

ページの先頭へ戻る