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アナリストの視点(国内株式)

新ジャスダック発足、本当に再編が必要なのは地方新興市場?

2010-10-15

 ジャスダックとヘラクレスの市場統合が12日、大きな波乱なく通過した。主力銘柄を選抜した新指数「JASDAQ TOP20」の算出も開始。トラブルなく発足した新ジャスダックだが、市場関係者の期待ムードも想定以下。静かなスタートとなった。

 今回の市場統合は過去10年間で盛り上がり、一気に衰退した新興市場ブーム、IPO(新規上場)ブームを総括する意味でも大きなイベントだった。ただ、「乱立」した新興市場はヘラクレスを指しているわけでなく、日本最古の新興市場であるジャスダックでも、もちろんない。新興市場ブームを過熱させ、投資家を混乱させた張本人は地方取引所傘下に乱立した新興市場。将来性という根拠のない項目を重視することで上場基準を緩め、未熟な企業を相次いでIPOさせ、“上場企業”というステータスを大幅に毀損(きそん)させてしまった。過去には名古屋証券取引所が、上場審査に不備があったとして取引所ながら業務改善命令を受けた経緯もあった。名証が運営する新興市場、セントレックスはこれまで34社が上場したが、既に4社が倒産などで上場廃止となっており、上位市場へくら替えしたのは1社のみとなっている。IPO銘柄は2008年3月以来、登場していない。

 一般には知られていないが、福岡証券取引所と札幌証券取引所の傘下にも新興市場が存在する。福証傘下のQボードには地元企業を中心に10社が、札証傘下のアンビシャスにも10社が上場する。本当の意味での新興市場の再編に必要なのは、こういった地方新興市場が舞台の再編。ジャスダックとヘラクレスの統合は新興市場再編の第1幕にすぎない。新興市場の健全化という命題の下、地方新興市場を舞台とした再編加速は避けられない状況となっていきそうだ。

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 もちろん、地方新興市場に上場している企業のすべてに問題があるわけではない。地方市場上場というだけでいぶかしくみられている有力企業もある。ただ、名証セントレックスから卒業したティア(2485・名(2))は同じ名証内でのくら替え。今後、中央市場へステップアップしていく企業が出現すれば、地方新興市場への見方も変わってくるだろう。セントレックスでは電子書籍関連のセルシス(3829)、Q&Aサイト運営のオウケイウェイヴ(=OK、3808)あたりが有望。地元企業が少なく批判の的となっていたアンビシャスでもダイエット用の豆乳クッキーから美顔器など健康関連商品通販へ軸足を移した健康ホールディングス(2928)など、市場全体のイメージを変える企業に育つポテンシャルを持つ企業も存在している。

(小泉 健太)


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