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アナリストの視点(国内株式)

「電力問題」対策は急務−エネルギー有効活用のスマートハウス導入へ

2011-04-11

 東京電力<9501>の発表によると、今夏の同社管轄内の最大電力の想定は記録的猛暑だった昨年に比べ約500万キロワット低い5500万キロワット。それに対し供給量の見込みは約4800万キロワットと、700万キロワットも低い。

 そこで打ち出されようとしているのが大口需要家の使用量を25〜30%制限するなどの抑制策。変更が相次ぐ計画停電より生産計画が立てやすいという見方もあるが、やはり生産性の大幅な低下は免れないし、夏を過ぎれば事が解決するというものでもない。国内の他の工場や海外工場で代替生産が可能ならまだいいが、そうでなければ競合にすきを与え、世界シェア低下のきっかけになりかねない。

 円高にしても、日本の企業が海外で稼ぎ、本国に戻すお金があるから、投機資金が何だかんだと理屈をつけて心理を誘導し、つけ込んでいたにすぎない。だから輸出が滞ったことで円安にフレている。

「蓄電池」重要な役割

 ともあれ、電力問題に関し、手をこまねいている場合ではない。あらゆる手段を講じてしのがなければ。ガスタービンエンジンなど緊急電源の設置も必要だろうがこの際、災い転じて福ではないが、スマートグリッド(次世代送電網)の導入を急ぎ、世界に冠たるクリーンで安全性の高い電力を手にすべきではないか。

 そこで注目したいのが「スマートハウス」。スマートグリッドは、環境に優しい高品質の電力を効率良く供給しようとするもので、省エネや地球温暖化防止などのほか、テロや自然災害の脅威を最小限に抑えるため、小規模分散型の、再生可能エネルギーによる多数の発電設備で電力を賄うことが発想の根底にある。家庭も重要な対象だ。

 スマートグリッドでは、電力を余っているところから不足しているところに回したり、深夜電力を蓄えて昼に使うなど電力負荷の平準化が主眼となる。そのため、最も必要となるのが蓄電池。「スマートハウス」も実は蓄電池がみそで、太陽光発電、エネファーム(燃料電池)にリチウムイオン電池などの蓄電池を組み込むことで環境負荷の低いエネルギーの有効利用を図る。

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 また、蓄電池があれば、停電への備えにもなる。燃料電池を動かすには外部の電力が必要だが、蓄電池があれば稼働が可能で、投入電力の約10倍の電力を生んでくれる。曇りや夜間など太陽光発電に頼れない時は強い味方だ。

 京セラ<6971>は太陽光発電のほか、燃料電池の心臓部であるセルスタックに強みを持つ。年内にも家庭用リチウムイオン電池の投入を目指す大和ハウス工業<1925>は、仮設住宅でシェア30%の最大手。

(真鍋 浩幸)


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